眠れぬ夜長は、本の世界へ引きこもり。

読書日記。あくまで備忘録としての記録。月曜日に更新予定です。

どこにでも実は居そうなお母さん。

今週の本 村山由佳著(2011)放蕩記.集英社.

 

 

いつ頃からか毒親という言葉が聞かれるようになり、親らしく自分の価値を押し付けたり、過干渉する親にラベルが付いたように思う。

母と娘。この関係はいつの世も、きっと難しい。文中で、まーなんちゅうお母さん、と思ったりもしたが、こんなお母さんはどこにでも実は居そうで、あえて明文化していなかっただけのように思える。お母さんは何でも知っている、というように子を管理しようとし、子がそれから逃れられない間は絶対のように洗脳されるが、離れてみると、言うほど何も知らないことがわかる。そんな呪縛からは早く逃れないといけない。

親子なんて、たまたまあなたの腹から出てきただけで、それ以上でもそれ以下でもない。親も子もそれぞれに人生は走っているのだから、「親の面倒は子が見る」とか、「早く孫を抱っこさせろ」みたいなことを言われたら、てめえで何とかできないことが当たり前に享受できると思うな、と吐き捨ててしまいそうだ。それと、女の子を産んで私の老後は安泰等と口走るバカ女の子は、親の言うことなんて素直に利かない賢い子に育ってほしいと心底思う。

 

頷くほど、消化不良を感じる。

今週の本 上野千鶴子鈴木涼美著(2021)往復書簡 限界から始まる.幻冬舎.

 

 

間違いなく、今年読んだ本の中で一番面白い。頷けば頷くほど、ではそれってなんだ?という思考に発展する。

何より分かり易く、男の生態を言及しているようにも思えるし、結婚についても言い得たりと感じる。今後何度も反芻して読みたいと思えた一冊。

社会の益として活躍する根源は。

今週の本 西村ユミ·山川みやえ編著.(2021)新曜社.

 

ちょっと難解な理論をわかりやすく解説してくれるダイジェスト版。丁寧な看護実践はケアの受け手のみならず、社会の価値をも変えうる力を持つ(と思う)。

青春って叫んでる。

今週の本 万城目学著.鴨川ホルモー(2006)角川文庫.

 

 

 

最高の青春SF。青春って、走ってたり、叫んだり、積極的だったり、引きこもったり、自意識過剰だったり、何も気づかなかったり。

どこにでも居そうな旧帝大生がよくある青春を過ごしている、その日々に嘘みたいなサークル活動の話。京都の街並みがとてもいい味出してる。

すべてのものに○を付けよ。

今週の本 山田詠美著.ぼくは勉強ができない(1996)新潮文庫.

 

 

僕は確かに勉強ができない、と言いながら、彼はなかなか賢い。観察しているし、分析しているし、何より自分の頭で考えている。背伸びした大人風で、どこか達観していて、それでいて悩んでいる。最高じゃないか。そんな大人で在りたいと思う。

なんだかんだ1番好きな本かも。

いろんな人が生きている。

今週の本 奥田英朗著.ララピポ(2008).幻冬舎.

 

 

人には見えないところで、フラストレーションを感じたり、孤独だったり、人はそれぞれ、いろいろである。自分にとって、遠いようで、実はきっと近い。知らないだけで、こんな人たちは、すぐ近くにいるんじゃないかと思ったりする。

 

いろんな人が生きている中で、最後の「ララピポ」は、とても秀逸な終わり方。

読んでおいてやる。

今週の本 田中慎弥著.共喰い(2006).集英社文庫.

 

 

青春って、たぶんこんなもん。

じめっとして、むらむらして、暴力的で、どこか自暴自棄。

親みたいになりたくないとあがいても、なんだか似てくる。

二次性徴にはそんな、得も言えぬ不快な経験を経て大人になっていく。

まだ覚えてるけど、これは母になると忘れるのか。忘れるのは不安だ。だからまた、読んでおいてやる。