眠れぬ夜長は、本の世界へ引きこもり。

読書日記。あくまで備忘録としての記録。月曜日に更新予定です。

キラリと輝くものの本質は。

今週の本 村上龍著.ラブ&ポップ トパーズⅡ(1991).角川文庫.

 

 

 

 

援助交際がどうの、というのは、売り手と買い手の合意形成が出来ているので、第三者がとやかく言うことではない、と私は思う。“楽に稼げる”は、いわば妄想に過ぎない。この本に出てくる彼女たちも、いろんな思いや誘惑の中で生きている。

キラリと輝くトパーズの指輪を見た時に、これは絶対に欲しい!、自分で手に入れないと意味がないという衝動が裕美を突き動かせた。

当時では珍しい携帯電話の貸し借りのシーンや、テレクラの録音を聞く描写が特徴的で、中でもロッテリアの接客とテレクラの音声を聞くリズミカルな文体に技を感じる。

援助交際って言葉は今では死語のようだけど、パパ活に置き換わっただけだと、ふと思う夕暮れ。