推しが燃えたら。
今週の本
宇佐見りん著(2021)『推し、燃ゆ』河出書房新社
- 価格: 1540 円
- 楽天で詳細を見る
- 価格: 1540 円
- 楽天で詳細を見る
日常が上手く行かなくたって、私には推しがいるから大丈夫。
主人公のあかりは、生きにくさ(俗に言う、おそらくこれは発達障害)を抱えているが、推しへの熱意から成る社会生活は惜しまずできちゃう。
あかりを表面的にしか捉えていないと、彼女の本質というような、隠れた能力はわからない。彼女はさぼってるわけでも、努力していないわけでもなく、いわゆる社会で、その発達段階で多くの人がクリアしていることの多くがスムースにできない。でも、推しに関しては惜しみなく、熱意を注いで、社会生活を展開している。
こういう人、たぶん、たまに出会ってる。たくさんの人の本質を、他者が見て理解を示す必要があるかは、わからない。けど、彼女もしくは彼らが、生きることに困らない、これも俗に言う自立や自活が、各々の形でできるといいし、それが多様な社会なのかとも思ったりする。
推しのマンションを見に行くラストシーンが、何とも言えず秀逸。